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靴修理・メンテナンス

更新日 2024.07.01

ソールのすり減りを防ぐ!プロが教える靴のケア方法5選

ソールのすり減りを防ぐ!プロが教える靴のケア方法5選

靴のソールがすぐにすり減ってしまう…そんな悩みはありませんか?実は、正しいケア方法を知れば、ソールの寿命を大幅に延ばすことができるんです。

今回は、靴修理のプロが教える「ソールのすり減りを防ぐ靴のケア方法」をご紹介します。これを実践すれば、お気に入りの靴を長く履けるだけでなく、靴修理の頻度も減らすことができます!

ソールがすり減る原因とは?

歩き方による影響

ソールのすり減りは、あなたの歩き方が大きく関係しています。例えば以下のような癖がある人はすり減りを起こしやすいです。

  1. かかとから着地する角度に癖がある人
  2. つま先で蹴り出す人
  3. 外側(または内側)に体重がかかる人

これらの歩き方はソールの特定の部分に負担をかけ、不均等なすり減りを引き起こします。

靴の選び方の問題

また、靴選びも重要です。間違った靴選びはソールの早期消耗だけでなく、足のトラブルにもつながります。

  1. サイズが合っていない靴
  2. 用途に合わない靴(ランニングシューズを普段履きにするなど)
  3. 質の悪いソール素材の靴

これらはソールの早期消耗につながります。価格や見た目だけでなく、サイズ感、用途、素材、構造、そして自分の足の特徴を総合的に考えて選ぶことが大切です。

ソールのすり減りを防ぐ靴選び5つのポイント

ソールのすり減りを防ぐ5つのケア方法

実は日々のちょっとした心がけで、ソールの寿命は大きく変わります。ここでは靴修理店の職人が長年の経験から導き出した、効果的な5つのケア方法をご紹介します。これらを実践すればソールのすり減りを最小限に抑え、大切な靴との時間を何倍も楽しめるはずです。

1.正しい歩き方を意識する

まずはあなたの歩き方を見直すことから始めましょう。正しい歩き方は、ソールへの負担を均等にし、すり減りを軽減します。

かかと→土踏まず→つま先の順で着地

  • かかとからゆっくり着地し(かかと全体で着地するイメージを心掛けます)、体重を前に移動させながら、土踏まず、そしてつま先へと重心を移動させます。
  • この歩き方はソールの全体に均等に体重をかけるので、特定の部分だけがすり減ることを防ぎます。

つま先でキュッと蹴り出しすぎない

  • 歩くときや走るときに、つま先で強く地面を蹴ることは避けましょう。
  • 強い蹴り出しは、つま先部分のソールを急速に削ります。代わりに、足全体でスムーズに体重を前に移動させることを意識しましょう。

体重を足の中心に乗せる

  • 内側や外側に体重をかけすぎると、ソールの片側だけが早くすり減ります。
  • 鏡を見ながら歩く練習をして、体重が足の中心(土踏まずの真下あたり)にかかるよう意識しましょう。

毎日の少しの意識で、歩き方は必ず改善されます。最初は違和感があるかもしれませんが、1ヶ月ほど続ければ自然な歩き方になっていきます。

2.シューズローテーションを実践

同じ靴を連日履くのはソールにとって大きなストレスです。靴も人間同様、休養が必要です。

最低3足のローテーションを組む

  • 平日用、休日用、運動用など、用途別に3足以上の靴を用意しましょう。
  • 素材やデザインの違う靴を選ぶと、ファッションの幅も広がります。
  • 同じビジネス用の靴でも3足を1週間で回すくらいが理想的です。

2日連続で同じ靴を履かない

  • 靴を履くとソールは圧縮され、クッション性が低下します。
  • 1日履いたら1日休ませることで、汗で蒸れてしまったソールが元の形状に戻り、耐久性が回復します。

気候に合わせたローテーション

  • 雨の日はレイン用の靴、暑い日は通気性の良い靴など、気候や用途に合わせて履き分けましょう。
  • これにより、ソールへの負担が軽減され、靴自体の寿命も延びます。

靴の購入費は増えますが長期的にはソールの寿命が2〜3倍になるので、むしろ経済的です。大切なのはそれぞれの靴を目的に合わせて正しく使うこと。そうすれば、すべての靴が長持ちします。

3.プロテクターでソールを補強

靴修理店の人気サービスであるソールの補強。これはソールの下に薄いゴムを貼り付けるもので、ソールの直接的な摩耗を防ぎます。

ゴム補強

  • 柔軟性が高く、歩行時の衝撃も吸収してくれます。
  • 特に、日常使いする靴に貼ると効果的。使用頻度が高く摩耗の早いソールのすり減りを大幅に軽減できます。

レザー補強

  • 高級感を損なわずにソールを保護します。
  • ラバー素材に比べると通気性が高いので、汗による蒸れを軽減します。

プロテクターは消耗品です。2〜3ヶ月に一度チェックし、すり減ったら交換しましょう。ソール全体の交換より断然安価なので、早めの対応がお財布に優しいのです。

4.正しい靴の収納方法

靴の寿命は履いている時間だけでなく、収納方法でも大きく変わります。正しい収納は、ソールの変形や劣化を防ぎます。

靴箱や下駄箱で保管

  • 靴箱、下駄箱に入れて保管することで、汚れや変色を防ぎます。
  • 直射日光を避けることで、革の状態を維持できます。
  • 靴箱、下駄箱はホコリ等の汚れから防ぐことには良いですが、梅雨等の湿度の高い時期はカビに注意してください。

靴べらの常用

  • かかとを踏んで脱ぐ癖のある人は要注意。これは、かかとのつぶれを招きます。
  • 靴べらを使うことで、かかとの形状を守れます。
  • 靴べらは、玄関先と職場の机の引き出しに一つずつ置くのがおすすめです。

乾燥した涼しい場所で保管

  • 湿気はソールの接着を弱めたり、カビの原因になったりします。
  • 特に、下駄箱の一番下や土間は湿気がこもりやすいので避けましょう。
  • 除湿剤の使用や、定期的な換気が有効です。

シューツリーの活用

  • 革靴には、シューツリーを入れて保管しましょう。
  • これは靴の型崩れを防ぐだけでなく、中の湿気も吸収してくれます。
  • 結果的に、ソールとアッパーの接着部分の劣化も防げます。

正しい収納は靴を履いていない時間、つまり「靴の寿命の大半を占める時間」のケアです。手間はかかりますが、この習慣がソールを含む靴全体の寿命を大きく左右します。

5.定期的なメンテナンスを欠かさない

最後はプロの技術を借りるメンテナンスです。自分でできるケアも大切ですが、定期的にプロの目を通すことで、小さな問題を大きな修理に発展させません。

ソールのチェック(年1〜2回)

  • 靴修理店で、ソールの摩耗具合や接着状態をチェックしてもらいましょう。
  • 多くの店舗で、この簡単なチェックは可能です。
  • 「まだ大丈夫」と思っても、年2回のチェックを習慣にすることをおすすめします。

部分補修(ソールの一部のみ補強)

  • 踵や爪先など、特定の部分だけがすり減っている場合、その部分のみ補強できます。
  • 部分補修の費用は1,000円〜3,000円程度。全体交換の半額以下で済みます。
  • これにより、ソール全体の寿命を1.5倍〜2倍に延ばせます。

ソール交換(全体が摩耗したら)

  • ソール全体がすり減ったら、思い切って全体交換しましょう。
  • 費用は靴の種類によって10,000円〜20,000円が相場。
  • 但し、初期段階の部分補修を怠ると、全体交換の頻度が増えます。

定期クリーニング

  • 年に1回は、靴全体のクリーニングを依頼しましょう。
  • 靴底の泥や小石は歩行時にソールを削る原因になります。
  • クリーニングで靴底もきれいにすれば、ソールも長持ちします。

靴ソールの寿命はどれくらい?知っておくべき交換時期や費用を解説

まとめ

これらを実践すれば、ソールの寿命は通常の2〜3倍に伸びると言われています。つまり、年間の靴の購入数が減り、家計にも優しいんです。

また、正しいケアは靴修理の頻度も減らします。でも、ソールの状態が気になる時は遠慮なく靴修理店に相談してください。ソールのすり減りは放っておくと靴全体の交換が必要になることも。早めの対策が、大切な靴を長持ちさせる秘訣なのです。

靴は毎日の生活の相棒。ソールケアで、その愛用の靴との時間を大切にしましょう。

 

この記事の監修

CONTE 代表

斎藤 融(サイトウトオル)

日本を代表する靴職人の一人である柳町弘之氏より靴職人として必要な技能と心得を学ぷ。2014年には、オーダーシューズプランド「TORUSAITO」を発表。現在ではGINZASIX、阪急メンズ東京にて取り扱いされている。靴修理の「CONTE」では、靴職人としての技術を活かした、丁寧で高品質の修理に取り組んでいる。