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靴修理・メンテナンス

更新日 2024.07.01

ヒールのトラブル解消!靴修理のプロが教える基本とコツ

ヒールのトラブル解消!靴修理のプロが教える基本とコツ

靴のヒールがすり減ったり、ぐらついたり、折れてしまったりした経験はありませんか?
ヒールの修理は一見難しそうですが、正しい知識があれば自分でも行うことができます。また、プロに依頼する際の費用や修理方法についても知っておくと安心です。

本記事では、ヒール修理の方法や費用、DIYでの修理方法など、役立つ情報を詳しく解説します。これを読めば、お気に入りの靴を長く愛用できるようになるでしょう。

ヒールのトラブルとは?

ヒールのトラブルは、日常的に靴を履く人にとって避けられない問題です。
特に、長時間の歩行や不適切な保管方法によって、ヒールにはさまざまなダメージが蓄積されます。ここでは、代表的なヒールのトラブルである「ヒールのすり減り」「ヒールのぐらつき」「ヒールの折れ」について詳しく解説します。

ヒールのすり減り

ヒールのすり減りは、歩行によってヒール部分が摩耗することで起こります。特に外側がすり減りやすく、バランスが悪くなると歩行時の姿勢にも影響を与えます。この状態を放置すると、以下の危険性があります。

  • 歩行バランスの崩れ:すり減ったヒールは靴のバランスを崩し、歩行時に足や腰、膝に余計な負担をかけます。これにより姿勢の悪化や関節痛、筋肉の痛みを引き起こす危険性があります。
  • 滑りやすさの増加:ヒールがすり減ると滑りやすくなり、特に雨の日には床では転倒のリスクが高まります。
  • 靴の劣化:すり減ったヒールを放置すると靴全体の形が変わり、見た目も悪くなります。また、他の部分の摩耗も進行しやすくなり、靴全体の寿命が短くなります。

ヒールのぐらつき

ヒールのぐらつきは特にハイヒール等に起こりやすく、ヒールと靴本体の接続部分が緩むことで発生します。この問題は長期間の使用や不適切な保管、衝撃によって引き起こされることが多いです。この問題を放置すると、以下の危険性があります。

  • ヒールの脱落:ぐらついたまま履き続けると、最終的にはヒールが完全に外れてしまう可能性があります。歩行中にヒールが外れると、バランスを崩して転倒し、怪我をするリスクが高まります。
  • 関節や筋肉への負担:ぐらつきによって不安定な歩行が続くと足首や膝、腰に余計な負担がかかり、関節痛や筋肉の痛みを引き起こす可能性があります。
  • 靴の破損:ぐらつきを放置すると接続部分がさらに損傷し、修理が困難になることがあります。結果として靴全体の耐久性が低下し、早期に買い替えが必要になることもあります。

ヒールの折れ

ヒールが折れることは、最も深刻なトラブルの一つです。ヒールが折れる原因は過度な負荷や衝撃、不適切な使用方法によるものです。ヒールが折れると、以下の危険性があります。

  • 大きな怪我のリスク:ヒールが折れるとバランスを崩して転倒し、大きな怪我をするリスクが非常に高くなります。足首の捻挫や骨折など、深刻な怪我に繋がることもあります。
  • 歩行不能:ヒールが折れた靴ではまともに歩くことができなくなり、日常生活に支障をきたします。特に仕事中や外出先でヒールが折れると、非常に不便です。
  • 靴の完全な破損:ヒールが折れた場合は歩行不可能となり靴を使用することができなくなります。修理店によっては新しいヒールを交換してくれることもありますが、ブランド品などはヒールそのものがデザインの一つの為、修理用資材店では代替え品が手に入らない為、修理が不可能になり新しい靴を購入しなければならない状況に陥ります。

以上のような問題が生じた場合は、放置すると靴自体の寿命が縮まるだけでなく、足や腰に負担がかかる可能性があります。

自分でできるヒールの応急処置

ヒールのトラブルに気づいたとき、すぐに修理店に持って行く時間がない場合もあります。そんなとき、自分でできる応急処置を知っておくと便利です。ここでは、ヒールのすり減り、ぐらつき、折れに対する簡単な応急処置方法を紹介します。

修理前に気を付けたいポイント

素材に合わせた修理方法

ヒールの素材によって、修理方法は異なります。革のヒールは専用の接着剤や釘を使用し、プラスチックのヒールは専用の接着剤とネジで固定します。素材に適した方法を選ぶことで、修理後の耐久性が向上します。

修理前の準備と注意点

修理前にはヒール部分をしっかりと清掃し、乾燥させておきます。また、接着剤やネジを使用する際は手袋を着用し、作業スペースを確保することが重要です。特に接着剤は強力なため、皮膚や衣服に付着しないように注意しましょう。

【ヒールのすり減り】に対する応急処置

ヒールのすり減りは早期に対処することで靴の寿命を延ばすことができます。以下の方法で応急処置を行いましょう。

1.ヒールトップの交換

  • すり減ったヒールトップ(ゴム部分)を取り外し、新しいヒールキャップを取り付けます。ヒールトップは靴専門店やオンラインショップで購入できます。
  • 古いヒールトップをペンチやドライバーで外し、新しいキャップをはめ込むだけで簡単に交換できます。

2.ヒールガードの使用

  • 市販のヒールガード(ヒールプロテクター)を装着することで、すり減りを防ぐことができます。
  • ヒールガードは靴底に貼り付けるだけで簡単に装着できます。

【ヒールのぐらつき】に対する応急処置

ヒールのぐらつきは、歩行の安定性を損なうため、早めに対処することが重要です。以下の方法で応急処置を行いましょう。

1.接着剤を使用する

  • ヒールと靴本体の接続部分が緩んでいる場合、接着剤を使用して固定することができます。強力な靴用接着剤を使い、接続部分に塗布してしっかりと固定します。接着剤が乾くまで数時間放置し、完全に固まったら使用します。

注)ただし、瞬間接着剤を使用した場合はそのものを使用したことにより、素材の劣化等を引き起こし後に修理店で修理ができなくなることもあるので、安易に使用することはおすすめいたしません。

2.ネジや釘で固定する

  • ヒールがぐらつく場合、小さなネジや釘を使って固定することもできます。
  • ヒールと靴本体の接続部分に小さなネジをドライバーで締め込み、しっかりと固定します。この方法は、応急処置として一時的に有効です。

【ヒールの折れ】に対する応急処置

ヒールが折れてしまった場合は、以下の方法で応急処置を行いましょう。

1.強力な接着剤を使用する

  • 折れたヒール部分を一時的に接着するために、強力な接着剤を使用します。
  • 折れた部分に接着剤を塗布し、しっかりと固定します。接着剤が乾くまで数時間放置し、完全に固まったら使用します。

注)この方法はあくまで応急処置であり、ヒールが折れた場合はその靴を使用せず、修理店での本格的な修理が必要です。

2.テープで補強する

  • 応急処置として、折れたヒール部分をテープで補強することもできます。
  • 強力な布製テープやガムテープを使用し、折れた部分をしっかりと巻き付けて固定します。

注)この方法は一時的な対策であり、修理店での本格的な修理が必要です。

注意点

応急処置はあくまで一時的な対策です。ヒールのトラブルが発生した際はできるだけ早くプロの修理店での修理を検討してください。応急処置を行った場合も、そのまま放置せず、早めに修理店に持ち込むことで靴の寿命を延ばし、安心して履き続けることができます。

ヒール修理の費用

修理の費用相場

ヒール修理の費用は修理内容や靴の種類によって異なります。
一般的にヒールのすり減り修理は約1,000円から3,000円、ぐらつき修理は約2,000円から4,000円、折れたヒールの修理は約5,000円から10,000円が相場です。

靴修理にかかる費用はどれくらい?気になる相場をご紹介!

DIYとプロ依頼の費用比較

DIYでの修理は材料費や工具費用のみで済むため、費用を抑えることができます。
しかし、仕上がりの品質や耐久性を考えるとプロに依頼する方が安心です。
プロの修理は高品質で耐久性が高く、長期的にはコストパフォーマンスが良い場合があります。

靴修理の手順を知ろう!靴職人の技術とプロセスについて解説!

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ヒールのメンテナンス方法と長持ちさせるコツ

ヒールのメンテナンス方法

ヒールのメンテナンスは定期的な清掃と保護が基本です。柔らかい布で汚れを拭き取り、専用の保護剤を塗布します。また、使用後は乾燥した場所で保管し、湿気を避けることが大切です。

長持ちさせるためのコツ

ヒールを長持ちさせるためには、以下のポイントを守ると良いでしょう。

  • すり減り防止のために、定期的にヒールキャップを交換する
  • ぐらつきを感じたら、早めに修理を行う
  • 同じ靴を連続で履かず、休ませる
  • 適切な保管方法を守る

靴修理のプロに教わる靴の手入れ方法 – 靴の寿命を最大4倍に延ばす秘訣

まとめ

ヒールの修理方法や費用、DIYでの修理方法など、ヒールに関するさまざまな情報を解説しました。ヒールのすり減りやぐらつき、折れといった問題に対処するための知識を持つことで、お気に入りの靴を長く愛用できるようになります。

 

この記事の監修

CONTE 代表

斎藤 融(サイトウトオル)

日本を代表する靴職人の一人である柳町弘之氏より靴職人として必要な技能と心得を学ぷ。2014年には、オーダーシューズプランド「TORUSAITO」を発表。現在ではGINZASIX、阪急メンズ東京にて取り扱いされている。靴修理の「CONTE」では、靴職人としての技術を活かした、丁寧で高品質の修理に取り組んでいる。