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靴修理・メンテナンス

更新日 2024.06.23

靴修理のプロに教わる靴の手入れ方法 – 靴の寿命を最大4倍に延ばす秘訣

靴修理のプロに教わる靴の手入れ方法 – 靴の寿命を最大4倍に延ばす秘訣

靴は私たちの足元を守り、快適な歩行を可能にしてくれる大切な存在です。
しかし、靴は必ず劣化していき、いずれ新しい靴に買い替える必要があります。

そこで、靴修理のプロが教える靴の適切な手入れ方法をご紹介します。
この方法を実践すれば、靴の寿命を最大4倍にも延ばすことができるかもしれません。

靴の寿命を決める3つの大敵

ここでは、靴の寿命を縮める3つの大敵について解説します。

① 水分による劣化

革靴や防水加工のない靴は、水分を吸収すると変形や剥がれを起こしやすくなります。濡れた靴は十分に乾かしてから、靴クリームなどでケアするのがベストです。

② 汚れによる劣化

靴底や甲革に付着した汚れは、靴本体を徐々に傷めていきます。特に靴底の溝に詰まった小石などは早めに取り除く必要があります。

③ 紫外線による劣化

日光に当たることで靴が劣化するのは意外と知られていません。革靴は紫外線によりカサカサになり、剥がれや割れが生じやすくなります。

靴修理店が教える靴の正しい手入れ方法

ここでは具体的な靴の手入れ方法をご紹介します。以下を実践すれば、靴の寿命が格段に伸びるはずです。

① 使用後の手入れが肝心

毎日の使用後に適切な手入れをすることが、靴の寿命を左右する最も重要なポイントです。

まず、靴を履いた後は靴べらを使って靴を脱ぎ、中を点検します。汚れや湿気を放置すると、カビや臭いの原因になります。中敷きに付着した汚れは、ブラシや布で軽くはき落とします。

次に、靴の外側についた汚れを落とします。ブラシやクリーナーを使って、土埃や泥の汚れを丁寧に取り除きます。革靴の場合は、水分を十分に拭き取ることが大切です。革が濡れた状態を放置すると、シワやカサカサになってしまいます。

汚れを落とした後は靴クリームを塗布して仕上げます。靴クリームの特徴や種類は後述しますがクリームを塗ることで革に潤いを与えるだけでなく、保護膜ができて次の汚れにくくなる効果もあります。

さらに、専門家のアドバイスとして、靴を履いたあとは靴型(シューキーパー)を入れると形状を維持できて変形を防ぐことができます。また、革靴の場合は通気性の良い場所に置くことで、内部の湿気を取り除くことができます。
このように、毎日の丁寧な手入れが靴のコンディションを保つ秘訣なのです。

② 靴クリームの活用術

靴の手入れに欠かせないのが靴クリームの活用です。これらは、革の潤いを保ち、艶と光沢を与える大切な役割があります。

靴クリームは、ワックスと油分が含まれた靴専用のクリーム状の製品です。塗布することで、乾燥して固くなった革に潤いを与えたり、つや出しをしたりできます。

その他にもツヤ出しのための「ポリッシュ」、乾燥保護のための「デリケートクリーム」、液体タイプの「リキッドクリーム」などがあります。革の状態によって、使い分けるのがコツです。

例えば、新品の靴なら最初はデリケートクリームで潤いを与え、その後クリームを重ねてツヤを出すのが一般的です。乾燥が進んだ革靴には、デリケートクリームから塗り始めて柔らかくしてから、ポリッシュで仕上げると良いでしょう。

一方、靴クリームは着色とツヤ出しを同時に行える製品です。傷んだ部分の色ムラをカバーしたり、黒革を補色したりするのに適しています。ただし、全体をムラなく仕上げるのは意外と難しいので、最後はポリッシュで均一な艶を出すのがおすすめです。

靴クリームを使う際は、まず靴ブラシで軽く革の表面を掻き起こし、クリーナーで古いクリームをしっかりと取り除いてからクリームを塗るのが重要です。塗り方のポイントは、まず全体に薄く染み込ませ、その後濃く塗り重ねるとより色に深みがでてきます。丁寧にペネトレイトブラシ(クリーム塗布専用)などを使って塗り込むと、より全体的に塗りやすいかと思います。

③ 専門店での修理・メンテナンスも大切

靴のプロによる定期的なメンテナンスも、靴の寿命を延ばすために重要なポイントです。靴修理店には、一般家庭では難しい高度な知識と技術があります。

例えば、ソールの修理やヒールの張り替えなどは専門店に任せたほうが仕上がりが格段に良くなります。自分で接着剤を使ってソールを貼り直しても、歩行時に剥がれてしまう可能性が高いのです。

また、革の傷みの状態によっては、リフレッシュ加工などで手入れを施す方が効果的です。専門店では傷んだ革の状態をみて、適切な施術を選択することができます。

さらに、プロのメンテナンスを受けることで、靴の左右のバランスを整えることもできます。靴の片方が変に傾いてしまっていたり、かかとが減り過ぎていると歩行に影響が出ます。定期的に修理店で調整をしてもらえば、履き心地も良くなります。

一方で、修理店に頼む際は、信頼できる実績のある店を選ぶことが大切です。自分のお気に入りの靴をプロの手に預ける以上、高い技術とサービス精神のある店を見極める必要があります。靴修理の知識が豊富な店員に相談しながら、丁寧に修理してもらえる店を選びましょう。
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リーズナブルな価格で、納期も早く、かつ高品質なメンテナンスを受けられれば最高です。定期的に専門店に靴を預けて、愛着のある靴を長く履き続けることをおすすめします。

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④ 季節ごとの手入れのコツ

靴の手入れでは、季節による違いを意識することも重要になります。夏と冬では、靴にかかる環境が全く異なるためです。

まず夏場の手入れのポイントは、通気性と抗菌対策です。蒸れで足の臭いがつきやすく、また靴内部でカビが発生しがちです。そのため、靴に汚れが付いている場合はその部分を取り除くことが大切です。
また、靴の中に足の形に合わせたシューツリー(木製)を入れると、靴内の湿気をよく吸収してくれます。消臭スプレーを吹きかけたり、消臭剤やシューツリーなどを活用して、靴内の不快な臭いを取り除きましょう。

一方、冬場の手入れでは、防水対策が最重要になります。革靴や撥水性のない靴は、雨や雪で濡れると大変な目に遭います。完全に防水できる靴カバーを使うのも一手ですが、少なくともスプレー式の防水スプレーを定期的に吹きかけ、靴本体に防水効果を与えるようにしましょう。
また、雪が付着した状態で室内に入ると、靴の中に水滴ができて革が劣化してしまう可能性があります。そのため、外から帰ったらまず靴を軽く振るか、乾いた布で拭き取ることをおすすめします。室内に入る前に、靴からしっかりと水分を取り除くことが大切です。
靴の乾燥も冬の課題です。湿った靴をそのまま放置すると、カビの原因になります。寒い季節は靴の乾燥が遅れがちなので、靴乾燥機やくつ乾燥剤を使って靴内部の湿気を取り除くよう心がけましょう。

しかし、革靴をストーブの前で乾燥させるのは逆効果です。急激な乾燥は革をパリパリに干からびさせ、ひび割れの原因になるからです。
冬場は特に丁寧な手入れが必要になりますが、上手に対処することで靴の寿命を大きく延ばすことができます。状況に合わせて手入れ方法を工夫し、靴に最適なメンテナンスを心がけましょう。

このように、季節による違いを意識しながら、それぞれの環境に適した手入れをすることが何より大切です。一年を通して靴に合わせた正しい手入れを続けることで、きっと愛着のある靴を長く活躍させられるはずです。

まとめ

靴を大切に手入れすることで、思っていた以上に靴の寿命を延ばすことができます。定期的な靴のメンテナンスを習慣化すれば、コストパフォーマンスの高い靴ライフを送れるはずです。ぜひ、この記事で紹介した手入れ方法を参考に、お気に入りの靴を長く愛用してみてください。

この記事の監修

CONTE 代表

斎藤 融(サイトウトオル)

日本を代表する靴職人の一人である柳町弘之氏より靴職人として必要な技能と心得を学ぷ。2014年には、オーダーシューズプランド「TORUSAITO」を発表。現在ではGINZASIX、阪急メンズ東京にて取り扱いされている。靴修理の「CONTE」では、靴職人としての技術を活かした、丁寧で高品質の修理に取り組んでいる。