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靴修理・メンテナンス

更新日 2024.06.23

プロ直伝!ゴム製靴も長持ちさせるメンテナンス術

プロ直伝!ゴム製靴も長持ちさせるメンテナンス術

ゴム製の靴は長く履くほど、汚れやカビ、臭いなどのトラブルが起きがちです。
しかし、適切なメンテナンスを心がければ、これらの不具合を防ぐことができます。

この記事では、ゴム製品の特性を踏まえた上で、ゴム長靴やゴム底の靴を長持ちさせる手入れ方法を徹底解説します。プロの知見を基に、簡単にできる手入れ術から補修のコツまでお伝えしますので、ぜひ参考にしてゴム製靴を大切に活用してください。

ゴム製靴の特徴と重要性

ゴム製品の特性

ゴムは天然ゴムや合成ゴムなどを原料とした、非常に弾力性と耐久性に優れた素材です。伸縮自在で薄く軽量なゴム製品は、様々な製品に用いられています。

その一方でゴムは空気中の酸素や紫外線、熱などの影響を受けやすく、徐々に劣化していく性質もあります。適切なメンテナンスを欠くとひび割れや硬化、変形が起こり早期に寿命を迎えてしまうのです。

ゴム素材の靴の種類

ゴムを素材とした代表的な靴には、ゴム長靴、ゴムぞうり、ゴム底の靴などがあげられます。

ゴム長靴は完全にゴム素材で出来ており、レインブーツやレインシューズとしても活躍します。一方ゴムぞうりは上部が布で、底面のみゴムになっています。また革靴でもアウトソールにゴムを使った「ゴム底」の靴は多数存在します。

全面ゴム製か部分的にゴムを使うかで手入れ方法は変わってきますが、いずれもゴムの特性を踏まえたメンテナンスが重要になります。

適切なメンテナンスが不可欠な理由

ゴム製品は耐久性が高いと言われていますが、一方でメンテナンスを怠ると劣化のスピードが早くなります。特にゴムの靴は着用時の摩擦や汚れ、水分が原因で傷みが激しくなりがちです。

そのため、日頃からこまめなケアを心がける必要があります。定期的な手入れをすれば、ゴムのひび割れや硬化、変形、カビや臭いの発生を防ぐことができます。
ゴム製靴は長く履き続けられる便利なアイテムですが、適切なメンテナンスを欠かせば逆に寿命が極端に短くなってしまいます。ゴムの特性を理解し、正しい手入れ方法を実践することが何より大切なのです。

ゴム製靴の手入れ頻度と道具

手入れのタイミング

ゴム製品の手入れのタイミングとしては、主に以下の3つのケースが挙げられます。

  • 定期的なメンテナンス (月1回程度)
  • 着用後の手入れ (使用するたびに)
  • シーズン前の手入れ (長期保管前に)

定期的なメンテナンスでは、徹底的なクリーニングやツヤ出し、消臭対策などを行います。使用するたびに手軽にできる手入れでは、主に汚れ落としを中心に行います。そしてシーズン前のメンテナンスでは、カビ防止や防水性の確認など、しっかりと次のシーズンに備えます。

このように、ゴム製靴の手入れは日常的に気を付けることが肝心です。頻繁に履くアイテムであれば、こまめなケアが重要になってきます。

必要な道具や洗剤の選び方

ゴム製品の手入れに必要な代表的な道具は以下の通りです。

  • ブラシ(豚毛、馬毛など)
  • スポンジ(研磨剤付き)
  • シューズクリーナー
  • 防水スプレー

ゴム用のブラシは、豚毛や馬毛でできたものがおすすめです。スポンジは研磨剤付きのものを使えば、古い汚れもこすり落とせます。クリーナーや艶出しワックスも、ゴム用のものを選ぶと安心です。

さらに、手入れ後に防水スプレーを吹きかけるとゴムの防水性をキープできます。専用品を使うことで、手入れ効果が格段に上がります。

使用頻度の高いブラシやスポンジ、クリーナーなどは、安価で手に入る製品でも構いません。大切なのは、ゴム専用というくくりを意識することです。

自宅でできる簡単手入れ

自宅でも気軽にできるゴム製品の手入れがあります。それは着用後の汚れ落としです。ブラシできれいにホコリなどを払い落とした後、靴用クロスで汚れを丁寧に擦り落とします。汚れが落ちにくい場合は、シューズクリーナーを吹きかけるとよりスムーズに汚れが落ちます。

最後に乾いた布で水分を拭き取り、清潔な状態で保管すれば完了です。この簡単なステップを怠らずに行うことが、ゴム製靴の手入れの基本となります。

ゴム製靴の手入れ手順

定期的なクリーニング

ゴム製靴の定期的なクリーニングは、年に1~2回は専門店に出すことをおすすめします。

プロの手によるしっかりとした洗浄と、内部の消臭、防カビ加工などを施すことで、靴本来の質を維持できます。自宅での手入れでは落としきれない、深い汚れを除去してくれるだけでなく、底面の研磨なども行ってくれます。

クリーニング後は、防水スプレーで撥水性を高めるのも賢明です。ゴムの細かい傷や汚れを防ぎ、一定期間防水効果が持続するでしょう。定期的なプロによるメンテナンスは、ゴム製靴の寿命を大きく左右する重要な作業なのです。

汚れ落とし

日常の手入れとして、着用後は必ず汚れ落としを行うようにしましょう。
まずブラシできれいにホコリやゴミを払い落とします。汚れが落ちにくい場合は、ゴム専用のシューズクリーナーを吹きかけると、より簡単に汚れが落ちるはずです。

研磨剤付きのスポンジで強くこすれば古い頑固な汚れも落とせますが、ゴムを傷つける可能性もあるので注意が必要です。汚れを落とした後は、濡れた布で拭き、清潔な状態で保管しましょう。

ツヤ出し

定期的なツヤ出しも、ゴム製品の美しさを保つ上で欠かせません。汚れを落とした後は、ゴム用クリームを塗布しましょう。

商品例)M.MOWBRAYマルチカラーローション

いつまでも輝きを保てるよう、月に1度のペースでクリームのメンテナンスを行うのがベストでしょう。黒っぽく汚れた印象のゴム靴でも、手入れ次第で簡単に蘇ります。

防水スプレー

ゴム靴の手入れに欠かせないのが、防水スプレーの活用です。ゴムは基本的に防水素材ですが、劣化すると次第に透湿性が高まります。

そこでクリーニング後や、クリームの最後に防水スプレーを全体にまんべんなくかけると、雨や雪で靴が濡れるのを防げます。効果は1ヶ月ほどで薄れるので、定期的な施工を心がけましょう。
適切なタイミングで防水スプレーを吹きかけることで、靴の中の水分やカビの発生も抑えられます。ゴム素材製品には不可欠のメンテナンス行為と言えるでしょう。

消臭対策

ゴム独特の臭いは、手入れを欠くと一層強くなりがちです。クリーニングを定期的に行うことで、内部のカビや雑菌を取り除くことが重要です。

一方で、日頃の対策として消臭剤の活用も効果的です。靴を履く前に消臭スプレーをシュッとかけるだけで、一日中気になる臭いを防げます。

さらに小まめに中敷きを取り外し、風通しの良い場所に干すなどの対策も大切です。ゴムの種類によっては、重曹などの消臭剤を入れて保管するのも一案です。こまめに換気や乾燥を心がけることで、嫌な臭いを徹底防止できるはずです。

ゴム製靴を長持ちさせる3つのポイント

1.正しい履き方と保管方法

ゴム製靴を長持ちさせるためには、正しい履き方と保管方法を心がける必要があります。

履き方では、無理な力を加えず、靴べらなどを使って優しく足を入れるよう気をつけましょう。素足での着用は避け、靴下を着用することで汗や老廃物による劣化を防ぎます。同じ靴を連日着用するのは避け、できるだけ履き替えることが賢明です。

また保管では、直射日光が当たる場所や高温多湿な場所は避けましょう。靴の変形やカビの原因になります。できれば通気性が確保され、涼しい場所に保管するのがベストです。

長期間履かない場合は、シューキーパーを入れて形を整え、防虫剤を投入するのもよいでしょう。正しい履き方と保管を心掛ければ、ゴム製靴を長期間キープできます。

2.補修・修理の仕方

履き込んでいくと、ゴム製靴にも補修や修理が必要になることがあります。靴底の硬化や、つま先部分の擦り減りなどです。

浅い傷なら、目止め剤を塗って応急処置できますが、深い傷の場合は修理店に出すのが賢明です。自分で行うと、かえって劣化を早めてしまう可能性があります。

修理店に依頼すれば、劣化部分を削り落として新しい素材で補強したり、専門的な技術でしっかりと補修ができます。定期的に点検し、早めの対応を心がけましょう。

横浜市青葉区の職人による美しい靴修理「コンテ」

3.メンテナンスの重要性

ゴム製靴は一般の革靴に比べて耐久性が高いと言われていますが、適切なメンテナンスを欠けば逆にすぐに劣化が進行します。ゴム特有の弱点でもあります。

日頃のケアさえ怠らなければ、ゴム靴を安価に長期間活用することができるのです。かけるコストに見合うだけの価値が生み出せます。
定期的なメンテナンスに多少の手間はかかりますが、それを勘案してもゴム製靴は魅力的なアイテムと言えるでしょう。大切な一足を、しっかりとケアして長く活躍させましょう。

まとめ

ゴム製の靴を長く履き続けるには、適切な手入れが欠かせません。本記事では、ゴムの特性を理解した上で、実践的なメンテナンス方法をご紹介しました。

まずは汚れ落としやクリームメンテナンスなどの日々の手入れ術を押さえましょう。クリーナーの選び方や、簡単にできる消臭対策など、自宅で気軽にケアできる方法が学べたはずです。
さらに補修や修理の仕方、正しい保管術など、より一歩踏み込んだポイントも解説しました。ゴム製品だからこそのコツを知ることで、長期間快適に履き続けられるはずです。

ゴム製靴のメンテナンスに気を付けることで、できるだけコストをかけずに長持ちさせられます。大切な一足を大事に活躍させたい方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

この記事の監修

CONTE 代表

斎藤 融(サイトウトオル)

日本を代表する靴職人の一人である柳町弘之氏より靴職人として必要な技能と心得を学ぷ。2014年には、オーダーシューズプランド「TORUSAITO」を発表。現在ではGINZASIX、阪急メンズ東京にて取り扱いされている。靴修理の「CONTE」では、靴職人としての技術を活かした、丁寧で高品質の修理に取り組んでいる。